LINE予約、画面で見ると「うちでもできそう」だった
知り合いのカフェに、LINE予約の入口を作った。
最初は、ちゃんとした予約フォームを作るつもりだった。イベントを選んで、人数を入れて、名前と電話番号を入れて、送信する。よくある形だ。
でも途中で、これってフォームを開いてもらうより、LINEでそのまま聞いたほうが自然かもしれないと思った。
お客さんはLINEで「コンサート予約」と送る。あとは順番に聞かれる。催し、人数、名前、電話番号。最後に確認して終わり。
画面にすると、こんな感じになる。
これは実際の予約情報ではなく、説明用のサンプル画面。でも、やりたいことはほぼこの通りだった。
大きな予約システムを入れるというより、いつものLINEの中に「予約を聞いてくれる人」を置く。そんな感じに近い。
Before:予約のやりとりが、少しずつ散らかる
小さいお店の予約は、最初から大混乱しているわけではない。
ただ、少しずつ散らかる。
お客さんから「予約できますか?」とLINEが来る。お店の人が「何日のですか?」「何名ですか?」「お名前は?」と聞く。返事が何回かに分かれる。忙しい時間に見ると、あとでどこまで聞いたか分からなくなる。
予約フォームを入れれば解決することもある。でも、フォームのURLを送る、入力してもらう、確認メールを見る、という別の手間も増える。
今回ほしかったのは、もっと手前のものだった。
毎回、同じ順番で聞いてくれること。
それだけで予約はだいぶ扱いやすくなる。
After:お客さんは、LINEの中で進める
お客さん側でやることは、かなり少ない。
まず「コンサート予約」と送る。候補から催しを選ぶ。人数はボタンで選ぶ。名前や電話番号だけ入力する。最後に内容を確認する。
途中の画面は、こんな感じ。
催し:夜のうどんライブ
人数:2名
お名前:山田 花子
ここで大事だったのは、全部を賢くしすぎないことだった。
人数はボタンでいい。選択肢が決まっているから。
名前と電話番号は手入力でいい。人によって違うから。
催しの選択は、最初は横に並ぶ小さなボタンで出していた。でも候補が増えると見つけにくかったので、縦に見えるカードに変えた。中の処理を大きく変えたわけではない。見せ方を変えただけ。
でも、こういう小さい調整が効く。
予約は「高機能」より先に、「最初の一歩で迷わない」ほうが大事だったりする。
お店側には、必要な情報だけ届く
お店側で見たいのは、細かいチャットのやりとり全部ではない。
知りたいのは、結局これだ。
どの催しに、何名で、誰が予約したのか。
なので通知も、そこだけ見れば分かる形にした。
- 催し
- 夜のうどんライブ
- 人数
- 2名
- 名前
- 山田 花子
- 連絡先
- LINE経由
実際の裏側では、予約内容を保存したり、入力漏れを確認したりしている。でも、お店の人が毎回そこを意識する必要はない。
「LINEで予約が来た。内容はこれ」
このくらい短く見えるほうが使いやすい。
あとで見返せるだけでも、けっこう助かる
LINEのやりとりだけで予約を受けていると、あとから探すのが少し大変になる。
誰の予約だったか。何人だったか。どの催しだったか。
チャットをさかのぼれば分かる。でも、忙しい店ではその「さかのぼる」が地味に面倒だ。
だから、予約一覧に残るようにした。
ここでメールアドレスを無理に聞かないことも大事だった。
Web予約フォームではメールが必要でも、LINE予約では連絡の入口がLINEにある。無理に仮のメールアドレスを入れると、あとで変なデータになる。
入口が違うなら、必要な項目も少し違っていい。LINE経由の予約として残せば、それで十分だった。
これは「大きなDX」じゃなくていい
今回作ったものを「LINE予約フォーム」と呼ぶと、少し違う気がする。
フォームをLINEに移植したというより、予約のときに聞く順番をLINEに置いた。
どの催しですか。何人ですか。お名前は。電話番号は。これでいいですか。
それだけ。
でも、その「それだけ」があると、お客さんは迷いにくい。お店の人も受け取りやすい。あとから見返しやすい。
小さいお店にAIや自動化を入れるとき、いきなり全部を変えなくていいと思う。
予約、問い合わせ、注文前の確認、イベントの申し込み。
そういう毎回同じことを聞いている場面に、まずは聞く順番を置いてみる。LINEの中で、ボタンを少し出して、必要なところだけ手入力にして、最後に確認する。
画面で見ると、思ったより小さい。
だから「うちでもできそう」と思いやすい。
「うちもLINEは使ってるけど、予約や問い合わせが少し散らかってる」
もしそういうお店なら、最初の一歩は大きなDXじゃなくていい。いつものやりとりを一緒に見て、どこで詰まっているか、どの順番で聞けば楽になるかを決める。
「こんなのも頼んでいいのかな」くらいの小ささからでいい。
むしろ、そういう小さいところから始めるほうが、ちゃんと現場に残るものになる。