小さなカフェのサイトをAIと育てた3ヶ月の記録
知り合いの小さなカフェのサイトを手伝っている。住宅街にあるお店で、お母さんが一人で切り盛りしている。
最初に頼まれたのは「予約フォームが欲しい」だった。そこから3ヶ月、少しずつ機能を足していった。大きなシステムを入れたわけじゃない。お母さんが困っていることを聞いて、一つずつ小さく解決した。その記録を書く。
営業時間を「ファイル1個」で管理する
最初、営業時間はHTMLに直接書いてあった。定休日と営業時間が決まっていて、普段は問題なかったんだけど、臨時休業するとき毎回HTMLを書き換える必要があった。
やったのは、営業情報をファイル1個に切り出しただけだ。営業時間、定休日、臨時休業のお知らせ。全部このファイルに書いてある。サイトは起動時にこのファイルを読んで表示する。
管理画面に「お店の更新」タブを作って、お母さんがブラウザから営業時間や臨時休業の文言を書き換えられるようにした。保存ボタンを押すとファイルが更新されて、サイトに即反映される。
HTMLを触る必要がなくなった。
写真はお母さんのスマホから
サイトに写真を載せたいという話が出た。お店の外観、料理、催し物の様子。
写真はお母さんがスマホで撮ったものを使った。プロのカメラマンは頼んでいない。お母さんが「これがうちのお店」と思う写真が、一番そのお店らしい写真だからだ。
トップページにお店の外観をどーんと載せて、その下にギャラリーとして数枚並べた。催し物のページにもイベント中の写真を追加した。
技術的にやったことは画像の軽量化(WebP変換)くらい。スマホの写真はそのままだと重いので、表示速度のために圧縮した。でもお母さんにはそういう話はしていない。「写真送ってください、載せますね」だけ。
予約確認メールの「コピーボタン」
予約が入ると、お母さんが確認のメールを返す。毎回同じような内容なんだけど、手で打っていた。
管理画面に「確定文」を自動生成する機能を追加した。予約者の名前、日時、人数を埋め込んだ確認文がワンクリックで出る。横にコピーボタンをつけて、押したらクリップボードにコピーされる。あとはメールに貼り付けるだけ。
送信済みの予約には「送信済」マークがつくようにした。どの予約に返事したか、一目でわかる。
これだけのことなんだけど、お母さんの作業時間がかなり減った。毎日数件の予約に、毎回同じ文面を手打ちしていたのがなくなった。
大きいシステムはいらなかった
3ヶ月でやったことを並べると、どれも小さい。
- 営業時間の管理ファイル
- 写真の掲載
- 確認メールのコピーボタン
- 臨時休業のお知らせ機能
飲食店向けのSaaSを導入すれば、これ全部まとめてできる。月額数千円から数万円。でもそういうサービスは、お母さんには機能が多すぎた。使わない機能がたくさんあって、画面がごちゃごちゃして、「どこを触ればいいかわからない」になる。
逆に、お母さんが実際に使う機能だけを作ると、画面はシンプルになるし、操作で迷うこともない。管理画面のタブは3つだけ。予約一覧、催し物の編集、お店の情報の更新。それで全部足りている。
お店の規模に合わせるということ
世の中には「何でもできるツール」がたくさんある。でも個人店に必要なのは、「自分が困っていることだけを解決するツール」だったりする。
営業時間の変更が面倒なら、それだけ解決する。確認メールが手間なら、それだけ解決する。一個ずつ、困ったことが出てきたときに足す。最初から全部揃えようとしない。
このやり方は、お店が大きくなったら通用しないかもしれない。でもお母さんが一人で回しているうちは、これが一番合っている。お母さんが「使える」ことが、どんな高機能より大事だ。